kiitokがハイクラスエンジニアにオススメしたいを紹介する「kiitokレビュー」
今回は、toB向けのVRコラボレーションツール「NEUTRANS BIZ」等を展開する株式会社Synamonを紹介します。
コロナショックによって全世界的に在宅勤務の動きが急速に進行しています。図らずも新しい働き方を半強制的にシフトしなくてはいけない状況です。「NEUTRANS BIZ」は、この働き方のupdateにおける一つの解になるだけの強いポテンシャルをもっています。
この記事では、Synamonが提供するプロダクトとそれを生み出した開発チーム、今後の展開やそのために必要な役割などについてしていきます。
今回お話を伺ったのは

株式会社Synamon
CDO(取締役 開発責任者)
西口雅幸さん
アニメ/映像業界で国内トップレベルのフリーランス・モデラーとして10年以上活動。その後、Unityエンジニアに転向。3DCGと技術の2つを融合させ『NEUTRANS』の開発責任を担う。
今回インタビューに答えて頂いたのはCDO(取締役 開発責任者)西口さんです。
インタビューはkiitok運営の株式会社トラックレコードCTOの上原が担当しました。
会社とプロダクトについて
会社の歴史とプロダクト、実績や今後の展開などについて紹介していきます。
株式会社Synamon
設立:2016年
売上:非公開
社員数:27名(2020年4月時点)
所在地:東京都品川区西五反田 7-22-17 TOCビル9階1号室
URL:https://synamon.jp/
Synamon’s Engineer blog:https://synamon.hatenablog.com/
2016年創業以来、2度の資金調達を経て急成長

コミュニケーションロボット開発などを経験していた代表の武樋(たけひ)さんが2016年に創業したSynamon。2017年11月に株式会社ジェネシア・ベンチャーズ、株式会社KVPなどを引受先とする第三者割当増資を実施し、シードラウンドを調達。
2019年4月にはtoB領域に特化する形でVRコミュニケーションツール「NEUTRANS BIZ」を提供開始。2019年にはKDDI Open Innovation Fundと三井不動産のCVCファンドなどから資金調達をした、急成長スタートアップです。
toB向けVRサービス「NEUTRANS BIZ」について
NEUTRANS BIZは、複数人でVR空間を共有できるビジネス向けVRコラボレーションサービスです。まずは使い方とアウトプットイメージをご紹介します。
会議、研修などをVR空間に

VRヘッドセットを装着します

VR空間内でコミュニケーション

VR空間内でコミュニケーション
NEUTRANS BIZ で具体的にできること
- 環境が整っていればどこからでもアクセス可能
- 顔の動き、身振り手振りなどがアバターを通してそのまま伝わる
- 3Dサウンドによる高い没入感
- 重力なども計算されているので臨場感も抜群
- 資料共有、動画閲覧、プレゼンテーションなどもスムーズに
- 空中に文字や立体の絵がかける
- 物体を回転させたり拡大・縮小も簡単
- VR空間内で写真や動画も撮影可能
資料や画像を空間に並べながら複数人で議論することができます。360度映像を砂漠や、展示会場などに差し替えることもできます。
例えば、渋谷の街なかを360度映像にして、そこで渋谷に掲示する屋外看板のデザイン案などを「まるで渋谷のど真ん中にいるような感覚」で議論することもできます。実際にはできないことがVR空間ならだからこそ実現できます。
実際にデモをしないと伝わらないかも知れないですが、「確かに隣で一緒に会議しているような感覚」を味わえるプロダクト体験としての凄さをシンプルに感じました。
VR空間内にメモができる(動画30秒付近)
オンラインビデオミーティングだとちょっとやりにくい「ホワイトボード」的な機能もカバーしており、動画内に直感的に使えるペンやホワイトボードといった機能で、ブレストも可能になってます。
大手企業の新規事業部門などに導入
テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」でも紹介されるなど、「NEUTRANS BIZ」はKDDIや大手商社などの国内を代表する大手企業に導入されています。
実際にKDDIなどは施設見学などを通じた自社の研修にVRを活用しています。また大型展示物のレイアウト確認や建造物などの確認も行うなど商談やデザインレビューなどのシーンでも活躍しています。

360度画像による施設見学等のVR研修

VRでのデザインレビュー
VR空間のUI/UXへのこだわり

ビジネスユースが対象となるため、VRのSF感をあえて排除し、利用者から「普段と変わらない体験」と評価されるような「既視感」があるUIで敢えて開発しています。またアバターもリアルなキャラクターではなく、レゴなどにあるような多くの人にとってニュートラルな気持ちで体験できるものを意識してつくっています。
今後はVRならではの「空間UI」についての試行錯誤も進めていく予定。
今後はARやMRなどにも拡張

現在は、toB向けのコミュニケーションVRという領域でユニークなポジションをとっており、大手企業との協業実績を活かし、そのノウハウを自社のプラットフォームへ昇華させてようとしている点にも将来性を感じます。
そして、今後はARやMRデバイスでの利用環境を提供するなど、同領域にも参入予定。また、ボーダーレスなプロダクトだからこそグローバルでの展開も視野にいれており、国内を代表するXRのリーダー企業となりうるポテンシャルがあります。
2023年には1兆6000億円市場に
VR/AR関連のリサーチを行うARtillery Intelligenceによると、2023年の予測値は148億ドル(約1兆6,000億円)。

引用:MoguraVR
これは、2018~2023年まで5年間のVR関連売上規模を用途やコンシューマー/エンタープライズといった売上カテゴリーごとの集計や業界関係者のインタビュー等も基にした予想となっています。
review

kiitok
上原

Synamon
西口さん
開発チームについて
開発体制、開発文化、開発的なチャレンジなどについて紹介していきます。
Unityエンジニア中心の開発チーム

開発チーム(エンジニア、デザイナー)以外には、BizDev(セールス、カスタマーサクセス)とコーポレートチームの3つのグループの組織構成。
開発メンバーは16名いて、サーバーサイドは2名、デザイナーは3名(それぞれインターン含む)。それ以外はUnityエンジニアという体制で、エンジニア中心の会社。
整備はしつつも改善余地のある開発フロー
マルチデバイス対応などの複雑な仕組みが必要な環境で、かつスタートアップという点から考えると一定レベルの開発フローを整備している印象。

開発フローについての補足事項
- 開発はワークフローを構築中で、現在アジャイルに寄せはじめた状況。
- 10数種類以上あるデバイス向けのビルドやデプロイ出し分けといった、CI/CDパイプラインが整備されている。
- 企画は、これまではエンジニア主導だったが、今後は顧客フィードバックなども収集し、指揮をとるプロダクトマネージャーが必要な認識。
- 開発も複雑になり、技術的負債への対応も必要だが、走りながらやるのに苦労中。
VRへの熱量高めエンジニアが多数在籍
CDOの西口さんをはじめとして、VR関連のアプリ開発を趣味でもやってしまうようなエンジニアが多い。例えば、VRアプリ上でボードゲームを遊ぶツールをつくるメンバーや、WebRTCによるアプリケーション開発するエンジニアなどユニークなメンバーが在籍してます。

エンジニアファーストな開発文化
ともするとVR受託のように見えてしまうかもしれませんが、あくまでもプロダクトドリブンな会社です。CEOの価値観としても、技術とUIを特に大事にしており、テクノロジーの強い会社でありつづけることを非常に拘っています。

また強い開発チームをつくるためにチームワークを高めることも重視。そのために情報の透明性を高めることや、お互いに教え合う文化を大切にしています。社内勉強会や輪読会なども開催されるなど、組織としての学習力を高めることにも注力してます。

カジュアルでフラットなチーム

Slackでも技術に関する話題が活発
エンジニアとしての挑戦の余白は十分
サービスとしての更に拡張していくためにはクリアしなきゃいけない課題は多くある状況。特に以下のようなチャレンジングなissueもある点は魅力的。

1. ネットワークの強化
現在はサードパーティを活用しているが配信上の制限があるので、内製ツールでリアルタイムネットワークを強化し、体験性を上げることがゴール。
2. インターフェースの進化
マルチユーザー、マルチデバイスと多様化すればするほど複雑化する中での、汎用化できるインターフェースの開発。
3. プラットフォームとしての進化
VR会議は一つのユースケースでしかなく、研修、ショールーム等の用途によって使い分けができるようなプラットフォームとその上にのるアプリのような体験提供をしていこうと模索中。
review

kiitok
上原
またレベルの高いUnityエンジニアが在籍し、仕事の中で、勝手に面白いものを作ってしまう (直近はブラウザでVRを見れるツールを作成)メンバーがいるなどの技術に寛容な文化なのでVR好きな人には良い環境。

Synamon
西口さん
求めているポジションと成長機会について
ここからは、記載時点(2020年3月時点)で募集中のポジションと期待値やそこで得られる機会について紹介していきます。
いま求めているのは、このポジション

現在募集中ポジションはこの3つ。中でもエンジニアリングマネージャーはとても温度感高め。
1. エンジニアリングマネージャー
ピープルマネジメントだけではなく、プロダクトマネジメントも含めて幅広く担ってほしい責任あるポジション。事業目線でやるべきこと、やらないことを整理し、チームを巻き込んでいくことを期待しています。
開発フローやプロダクトマネジメント体制など未整備なことも多く、プロダクトと組織の立ち上げという貴重な機会を積むことが可能です。
2. バックエンドフルスタック
拡大期を見据えた、サーバサイドの初期のシステム設計/開発や、各事業フェーズでのサーバサイドのフレームワークやサービス選定などを期待しています。
3. Unityエンジニア
「NEUTRANS BIZ」の基本機能開発や、「NEUTRANS BIZ」のクライアント単位でのカスタマイズ開発をお任せするポジション。
基本的にはUnityでの開発ですが、ユーザー情報のやり取りなどのサーバー通信やWebRTCを利用したデスクトップ共有、リアルタイムネットワーク通信による動きと声の同期など、Unityの知識以外のWeb、ネットワークの知識なども駆使して活躍できる余地があります。
パフォーマンス面でも大人数が同じ空間に接続しつつ高いFPSを維持するという難しい問題にも挑戦してます。
一緒に働きたい人はこんな人
まずはVRが好きであることは一緒にやる前提条件。その上で以下のような価値観、スタンスにフィットするエンジニア。

現状のフェーズでは、育成余裕はなく、スキル的には即戦力クラスの人を求めている状況。その上で「事業目線で意思決定ができる」、「チームのために動ける」などのスタンスや価値観をもっている人を強く求めている。

もくもく会の雰囲気。みんな開発が好き。
review

kiitok
上原

Synamon
西口さん
不確実なことが多い中で、どのように戦うべきかを考えて実践し、経験できることが、Syanmonで働いて得られる成長機会です
他にもこんなことを聞きました
質問の一例
- 入社理由や退職理由は?
- 給与や昇給実績は?
- 相性がいい人、悪い人
- 社内エンジニアのぶっちゃけ自社評価
kiitok review インタビュアー

株式会社トラックレコード CTO
上原 将之
京都大学経済学部卒業後、2010年にDeNAに入社。エブリスタ、MYCODE、歩いてオトク、AI創薬プロジェクトなど、様々な新規サービスの立ち上げや開発・運用に携わる。 サーバー、クライアント、iOS・Android、機械学習等、幅広い技術スタックでの開発を経験する。 その後フリーランスエンジニアを経て、kiitokを運営する株式会社トラックレコードを創業。