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休日12時間を勉強に捧ぐ努力家エンジニアが「自分よりメンバーの成長が嬉しい」と語る理由

公開

ピクスタ株式会社で開発部長を務める星直史さん。新卒でSIerとして勤務した後、2012年にピクスタ株式会社に入社。開発リーダーを経て、2018年1月より開発部長として活躍しています。

新卒1年目から戦略的にキャリアアップを図り、平日休日問わず、スキルを磨くために努力を続けてきた星さん。挫折から貪欲に学び続けた先で、何事にも代え難いやりがいと出会ったそうです。高校生の頃まで遡って、キャリアの歩みを伺いました。

プロフィール| 星 直史

新卒入社したSIerでC#, Javaを学んだ後、ピクスタ株式会社に2012年に入社。写真素材・ストックフォト「PIXTA」の改善改修に従事。その後、開発リーダー、マネージャーを経て、2018年1月より開発部長に就任。エンジニアの採用、育成、組織作りに取り組んでいる。

プログラミングは“苦手でもやるしかなかった”

—初めに、エンジニアを目指したきっかけを教えてください。

高校の図書館でアルゴリズムの本を見つけ、プログラミングやエンジニアという仕事を知ったことがきっかけです。当時、家庭の経済状況も優れず、身体も丈夫ではなかったので、「将来は稼げる知的労働の職に就きたい」と考えていました。

エンジニアなら身体が丈夫でなくてもよいし、自分でサービスを作って成功させれば、お金持ちになれる。「まさに探していた職業だ!」と思いました。その日から独学で勉強を始めました。

—高校生でゼロから独学するのはなかなか大変そうです。始めてみていかがでしたか?

まさにそうですね。周りに教えてくれる人もいませんし、友達に勉強していることを話しても、からかわれるような環境でした。

何よりプログラミング自体にも面白さを感じていなかった。でも、経済状況的に大学に行けるわけでもないし、生存戦略として賭けるしかない、と思っていました。

—そこからWeb開発技術の専門学校に進んで、プログラミングへの気持ちは変わりましたか?

進学後も興味が持てませんでした。授業は座学ばかりで物足りず、そもそも目の前のコードがどのように世の中の役に立つのかをイメージできていなかった。

それでも、他に稼ぐ手段を知らないし、費やしてきたお金と時間を無駄にしたくない。そんな消極的な気持ちで、単位ギリギリで卒業。当時のスキルでも内定が出そうなソフトウェア開発会社にプログラマーとして入社しました。

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初めて感じたやりがいと現状への焦り

—入社してからはどのような仕事をしていたんですか?

ほとんどが頭を使わない単純作業でした。プログラムが正しく動作するか、スクリーンショットを撮ってExcelに貼り付ける作業の繰り返し。書いているコードの量がとにかく少なかった。

このままではエンジニアとしてスキルアップもできず給料も上がらない。危機感を感じ、給料アップにつながる資格を片っ端から取得しました。平日は3〜5時間、土日も12時間は勉強しました

—先ほど「プログラミングが世の中にどう役立つかわからなかった」と言っていましたが、それでも時間を費やすのは苦じゃなかった?

その頃にはプログラミングに面白さを感じることも増えてきました。例えば、テスト駆動開発で実装したい要件を踏まえてテスト項目を決める、エラー表示をいかに無くしていくか試行錯誤しながらコードを書くなど。完成物から逆算して、自ら試行錯誤する仕事に、やりがいと面白さを感じました。資格取得のための勉強も楽しくなり、コードを書くスピードも上がっていった気がします。

—順調にスキルアップしていくなか、いつ頃から転職を意識し始めたのでしょうか?

最初の1年が終わる頃には、「このままこの会社にいてよいのだろうか? 」と考えていました。ちょうど社内でプログラミングコンテストがあったんです。その時点で、僕は5年目の社員と同じ数の資格を取得していて、どの先輩社員よりもコードを書くのが速かった。コンテストでも先輩社員のコードを僕が直して優勝しました。

達成感より、これからエンジニアとしてスキルアップするなら、この環境にいてはダメなのではという焦りが募りました。また、Web業界に行って、自らサービスを生み出し、運用できるスキルを身に付けたいという気持ちも芽生えていました。単純作業ばかりでコードを書く量が少ない業務内容と目指しているキャリアにズレを感じ、転職活動を始めました。

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自ら掴んだ新たなステージ、必死で努力を重ねる日々

—どのように転職活動を進めていったのですか?

まず、当時のスキルや経歴から、恐らく小規模な会社しか採ってくれないと考え、中小企業やスタートアップを受けていました。また、クライアントに依頼されたサービスをつくる制作会社だと、根本的なビジネス構造がSIerと変わらず、自らサービスを生み出す経験が積みづらいのではと思い、Web系の事業会社に絞りました。

Web業界の経験は一切なかったので、保持しているものより上位の資格を取得し、勉強し続ける姿勢、成長角度の高さをアピールしました。面接も想定質問と答えを丸暗記し、同じ質問をされたら即座に答えられるよう準備しました。応募先企業の社内ブログやSNSを読み込んだ結果、面接前に社員の名前をすべて覚えてしまうこともありました(笑)

—相当調べたんですね!そのなかで株式会社ピクスタを転職先に選んだ理由を教えてください。

社内ブログから感じた明るい社風と裁量の大きさに惹かれました。当時の会社の規模は、エンジニアが5名、社員数も30名ほど。事業も組織も急成長しており、自ら手を挙げれば任せてもらえる環境があると聞いていました。ここならWebサービスを開発する力を蓄えられると考え、入社を決めました。

—実際に入社してみて、いかがでしたか?

当初は、とにかく周囲のレベルについていくのに必死でした。今では笑い話ですが、前職がWindowsだったので、Macになって基本操作からつまずきました。エディタも周囲がVimとかEmacsとか言っていて「何それ?」みたいな(笑)あれだけ頑張って資格を取得したけれど、実践は別物なんだなと改めて感じました。最初はユーザーに影響が出ない範囲のコーディングを担当していました。

—その状態からどのようにスキルアップを図ったのでしょうか?

とにかく持ちうる時間と労力をすべてスキルアップに費やしました。頭の良さでは勝てないけれど、与えられている時間は平等。そう自分に言い聞かせました。

一通り必要な業務をこなせるようになったのが3年くらい経った頃ですね。ちょうど上司が会社を去るタイミングも重なり、15名の開発チームのリーダーに就任しました。

自分主体から相手主体へ、チームリーダーとして得た学び

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—順調にスキルアップし、キャリアを積み上げていったんですね。

いえ、自分ではそう感じていませんでした。一応、エンジニアとして一人前になり、開発リーダーを任されたものの、「とにかく時間をかける」以外の努力を知らず、成長速度が鈍っていくのを感じました。3、4年くらいは低迷期でした。

また、開発リーダーになるとインフラエンジニアとのやりとりなどで、バックエンド開発以外の知識も求められます。指示を出さなければいけないのに、詳しくないから適切に指示を出せない。かといって人にも聞くのも抵抗がありました。

—なぜ人に聞くのに抵抗があったのでしょうか?

妙なプライドがあったんでしょうね。周囲の優秀な人たちに、影で必死で努力していると思われたくなかった。けれど、ある日部下から、「あなたの技術的判断はおかしいです」と指摘されました。見直してみると、実際に僕の判断が間違っていて、何も言えませんでした。

開発リーダーとして僕に求められているのは一刻も早く問題を解決することです。そのためなら、自分より優れている人に任せていくべきだった。そう反省して以来、少しずつ人に聞いたり、仕事を任せたりできるようになりました。

—その辺りから「低迷期」を抜けていったんですか?

もう一つ、大きな失敗があります。当時、20代半ばでマネージャーになったプライドもあり、人に質問ができるようになった後も「俺は正しい」という態度が残っていた。メンバーの気持ちを考えず、自分の意見を押し付けてしまうこともありました。

それで、ある日15名のチームメンバーのうち5名が「あなたと一緒に働きたくないです」と言い残し、退職してしまった。マネジメントする能力が自分には圧倒的に足りていないのだと、現実を突きつけられた経験でした。

—かなりショックな出来事ですね。どのように改善していったのでしょうか。

自分の意見を押し付けるマネジメントを止めて、相手へ問いを投げ、主体的な思考を促すアプローチを実践しました。失敗に対して「何でそうなったと思う?」とたずね、相手が課題を認識し、ネクストアクションを整理するのを手助けする。

そうすると、3日前に指摘したことが、今日はできるようになっているとか、小さな成長に立ち会える瞬間が増えていきます。それが、自分の成長よりもずっと嬉しい。自分がそう感じられることは大きな驚きでした。

—それまでのやり方から急に切り替えるのは難しくなかったですか?

最初は相当トレーニングしました。特に感情のコントロールですね。元々、感情を相手にぶつけてしまう性格だったので、PCに「信号のシール」を貼り、「今、俺怒ってるな」と感じたら、赤のマークを触る。少し落ち着いたら、黄色、青と触る色を変え、感情を客観的に把握し、コントロールできるよう工夫しました。

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自己成長よりメンバーの成長に全力を注ぎたい

—その甲斐あって、2018年には開発部の部長に就任しています。マネジメントをする上で心がけていることはありますか?

メンバーの一人ひとりが自立して、自ら課題を発見し、解決する力を養うためにどうすべきかを常に考えています。

今は、ロジカルシンキングについて座学で学ぶ機会を設け、その知識をどのように業務で活かすのかワークショップで演習する。さらに業務で実践した後どう活かせたのか1on1で振り返るなど、学びのサイクルを素早く繰り返す仕組みを整えています。少しずつ理想のチームに近づいている手応えもあります。

—今は自己のスキルアップよりもチームのスキルアップに全力を注いでいるんですね。

そうですね。開発リーダーになって以来、自分のスキルアップよりも、育成したメンバーの成長を見る方が楽しい。団体競技で金メダルを獲得したときのような嬉しさでしょうか。日々成長する若手エンジニアの姿がモチベーションになっています。

—kiitokメンターに加わってくださったのも、若手エンジニアの育成に携わりたいとの想いから?

はい、若手エンジニアの育成は、社内外問わず行なっていきたいと考えています。特にキャリアに悩んでいるとき、一人で目標を立てるのは難しい。誰かに話して内省をしたほうがより具体化しやすいし、間違った努力をせずに済むと思います。

—星さん自身、努力の方向性で悩まれていましたもんね。

そうですね。それに、僕自身は決してエリートコースを歩んできたわけではありません。限られた選択肢から、どう生き抜くかを戦略的に考え、キャリアを築いてきました。今日話した通り、挫折経験も沢山あります。そこからいかに軌道修正し、成果に繋げるのか。成長につながる“正しい”努力の仕方を、僕なりにアドバイスできればと思っています。

—ありがとうございました!

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